株式会社アースリンクネットワークは、複数のAIモデルを一つの環境で使い分けられるワークスペース「Prompt Flow Studio」を2026年9月4日に正式公開しました。まずWeb版の提供を開始し、iOS・Androidアプリは順次公開する予定です。提供地域は日本を含む世界各国としています。

複数AIの比較・討論・協働執筆に対応

本製品は単にAIをまとめて使えるだけでなく、用途に応じたモデル選択や複数AIの回答比較、AI同士の議論、複数AIによる文書の共同執筆といった機能を備えています。異なるAIモデルに擁護役・批判役などの役割を割り当てて主張と反論を戦わせる「Debate」機能や、複数AIが構成案を出し合い統合役が初版を作成する「Co-Draft」機能が用意されており、法務文書など多角的な検証が必要な文章作成にも活用できるとしています。また、アップロードした自社資料を根拠として、利用者が選んだ任意のAIモデルに回答させる仕組みも搭載しています。

テキストだけでなく画像生成モデルについても、同一のプロンプトを複数モデルへ同時送信し結果を並べて比較する機能があります。各モデルに異なる専門性や立場を表す「ペルソナ」を設定できるため、同じAIモデルでも役割設定を変えて多角的な視点の回答を引き出すことが可能です。会話の途中でモデルを乗り換えても文脈を引き継ぐ「Handover」や、会話を分岐させて複数案を並行検討できる「Branch」など、操作面の機能も備えています。

法人向けの情報保護・監査機能は10月以降

法人利用を想定した機能群は2026年10月以降に順次提供される予定です。中核となるのは送信前の情報保護機能で、機密情報を検知した場合に外部AIへの送信をブロックするか、該当箇所を自動マスキングして送信し応答時に復元するかを組織の方針に応じて選べます。組織独自の検知ルールも作成・適用できるとしています。

すべての会話は記録・保存され、監査対象の記録は組織の方針と法的要件に応じて最長7年間保持されます。重要な操作の記録はハッシュチェーンで連結され、改ざん検知が可能です。管理者が日常的に利用者のプロンプトや回答本文を閲覧する権限は付与されない一方、訴訟・監査などの正規の法的要請に対してはLegal Holdによる保全と、再認証・承認・全操作の監査を伴う統制された手続きのもとで開示される仕組みとなっています。

プランと利用コストの見える化

提供プランは無料プランからPersonal Pro、Business、Enterpriseまで段階的に用意されています。無料プランでもChatやCompare、Debate、Branchなどの機能を軽量モデルで試せるほか、登録時に300PFC(Prompt Flow Credit)が付与されます。Business以上ではチーム共有やSSO、送信前セキュリティフィルタなどが利用可能となり、Enterpriseでは送信前ブロックや自動マスキング、監査API・SIEM連携、DLP・Legal Holdなどの機能が加わります。

利用コストについては、送信前に推定PFCを、送信後には実測に基づく確定PFCと使用モデルを表示する仕組みがあり、月次の利用状況をモード別・AIサービス別・日別に確認できるとしています。価格の詳細な水準や契約形態については、発表では触れられていません。